老人ホームの持ち込み家具の選び方|持ち込めるものを解説
コラム

「老人ホームへ家具を持ち込んでもいいの?」「持ち込みできる家具って何?」とお悩みの方も多いでしょう。
老人ホームには家具の持ち込みができます。
ただし、大型の家具を持ち込む場合は、慎重な判断が必要です。
今回は『老人ホームに持ち込みできる家具』『老人ホームに持ち込みたい日用品』『持ち込んでも不要になることが多いもの』などを解説していきます。
この記事を読めば、老人ホームへ持っていくものがわかります。
目次
老人ホームに持ち込みできる家具
原則的に、今まで使っていた家具のほとんどは持ち込みできます。
老人ホームという新しい環境に馴染みやすくするためにも、可能なかぎり従来に近い生活を送れるような配慮が必要です。
ただし、居室のスペースに限りがあるため、多くの家具を持ち込むのは難しいでしょう。
2020年での有料老人ホーム全体平均の居室面積は、15.3平方メートルというデータがあります。
約9畳の居室で生活することを考慮して、持ち込み家具を厳選しましょう。
また、車椅子を使用している方の場合、居室内に家具が多すぎると移動が困難になりかねません。
車椅子での生活を想定して、十分なスペースが確保できるように配慮しましょう。
参考:国土交通省『データから見た高齢者住宅・施設の需給バランス』
タンスは必要?
大きなタンスを老人ホームへ持ち込むべきか、お悩みの方も多いようです。
特別な理由がない限り、衣類や日用品の収納は、タンスではなくプラスチック製の収納ケースが良いでしょう。
大型家具は持ち込みが大変なため、多くの老人ホームではタンスが備え付けになっています。
また、退去時に撤収することも考慮すると、大きなタンスの持ち込みは避けたほうが無難です。
ただし、思い入れも強く本人が使いたいと強く希望する場合は、持ち込みも検討すべきです。
老人ホームによってはタンスが備え付けになっていない可能性もありますので、持ち込みの前に確認しておきましょう。
老人ホームに持ち込みたい日用品
老人ホームの生活で必要な日用品には、次のものが挙げられます。
● 衣類・タオル
● 室内履き
● 洗面用具
● 趣味や娯楽に関するもの
● メガネ・補聴器など
それぞれの注意点を説明していきます。
衣類・タオル
衣類は春夏・秋冬ものを、それぞれ5着ほど持ち込みましょう。
同じ数の肌着・靴下類も必要です。
タオルは、フェイスタオル5枚ほど、バスタオル2〜3枚ほどあれば事足ります。
おしゃれは生活が楽しくなるので、お気に入りだった洋服や、好きな色・デザインの洋服を用意すると良いでしょう。
また、高齢者は肌寒いと感じることが多いため、カーディガンなどの羽織りものやひざ掛けも持ち込みましょう。
室内履き
施設内で過ごすための室内履きを用意しておきましょう。
ただし、転倒のリスクがあるため、スリッパやサンダルは避けるべきです。
また、児童が使うようなスクールシューズも、ソールが硬く滑りやすいので避けたほうが良いでしょう。
高齢者の転倒は骨折のリスクも高いため、特に履物は注意が必要です。
骨折により歩けなくなると活気がなくなったり、認知症が進行したりと弊害が多いため、転倒しづらい歩きやすい靴を用意しましょう。
スニーカーや介護用の室内履きがベストです。
洗面用具
毎日使う洗面用具も、忘れずに持ち込みましょう。
整容は清潔保持だけでなく、生活意欲を向上させるためにも必要不可欠です。
● ブラシやくし
● 歯磨きセット
● 入れ歯・入れ歯ケース
● 入れ歯洗浄剤
● 電気シェーバー
女性なら、普段使っているスキンケア用品や化粧品も必要です。
施設によっては消耗品を用意してくれるケースもあるので、老人ホームと相談しながら必要な洗面用具を揃えましょう。
趣味や娯楽に関するもの
本や雑誌など、本人が好きなものを持ち込むと良いでしょう。
老人ホームでは入居者の生活の質を向上するため、レクリエーションやイベントを開催していますが、毎日の開催が難しい施設もあります。
もしレクリエーションやイベントが開催されなくても、退屈しない生活が送れるよう、趣味や娯楽に関するものは必要です。
ただし、裁縫道具は針やハサミを使うため持ち込みできない可能性があります。
また、囲碁や将棋は相手がいないと成立しないため、持ち込みには注意が必要です。
老人ホームによっては囲碁将棋などのクラブ活動があるので、参加を検討しても良いでしょう。
メガネ・補聴器など
メガネや老眼鏡、補聴器などは無いと生活に支障をきたすため、忘れずに持ち込みましょう。
また、日常的に市販の湿布薬や目薬を使用している方も少なくありませんが、市販薬の持ち込みは医療機関へ確認が必要になる場合があります。
持ち込みの前に老人ホームへ確認しておきましょう。
持ち込んでも不要になることが多いもの
持ち込んでも不要になることが多いものは、次の3つが挙げられます。
● 備え付けの家具・家電
● 大量の衣類
● テレビ・ラジオ
無駄な出費や労力を抑えるためにも、これらのものを持ち込む際は注意しましょう。
ひとつずつ解説していきます。
備え付けの家具・家電
多くの老人ホームでは、エアコンやカーテンは備え付けになっているため、持ち込んでも不要になってしまいます。
また、タンスやクローゼット、机などの大型家具も、備え付けになっている老人ホームが多いようです。
ほかにも、入居する本人では操作できないような家電は、使いこなせず不要になってしまう可能性があります。
破損すると困るような高価な家具や家電も、老人ホーム側では管理が難しいため、持ち込まないようにしましょう。
大量の衣類
衣類の持ち込みは、お気に入りの服を持っていこうとして、ついつい多くなってしまいがちです。
しかし、収納スペースには限りがあるため、衣類が多すぎても収納できなくなってしまいます。
また、衣類が多すぎると老人ホーム側で管理が難しくなり、紛失や破損の可能性も出てきます。
紛失・破損のリスクを考慮すると、高価な衣類や思い出の衣類は持ち込まないようにしましょう。
また、夏服の半袖も不要になるケースが多いようです。
老人ホームの中は一年を通して適度な温度に調整されているため、高齢者は半袖が寒いと感じることが多いからです。
特別な理由がない限り、夏服は薄手の長袖にしておきましょう。
テレビ・ラジオ
テレビやラジオの持ち込みは慎重に判断しましょう。
高齢になると見聞きが難しくなる可能性が高く、入居後に使用しなくなるケースも多いためです。
また、老人ホームの居室にアンテナを接続できる設備があるかの確認も必要です。
もちろん、テレビやラジオが好きな方から無理に取り上げるのは望ましくありません。
本当にテレビやラジオが必要か、本人とよく話し合って持ち込みを判断しましょう。
多くの老人ホームでは、共用スペースにテレビが備え付けられています。
老人ホームへ持ち込み禁止のもの
入居者の安全確保のため、次の2点は持ち込み禁止になっている老人ホームが多いようです。
● 刃物・火気器具
● 車・自転車
それぞれ、詳しく説明していきます。
刃物・火気器具
多くの老人ホームでは、包丁やハサミなどの刃物、ライターのような火気器具は持ち込みが難しいです。
介護現場では、カミソリやT字カミソリも使用できないため、電気シェーバーを持ち込む必要があります。
入居者の安全を脅かすものは、基本的に持ち込みできないと認識しておきましょう。
車・自転車
車や自転車の持ち込みも禁止としている老人ホームが多いようです。
高齢者になると運転技術の低下も考えられ、外出した先で事故を起こす危険性があるからです。
また、認知症が進行している場合、行方不明になってしまうリスクもあります。
ただし、老人ホームによって車両の持ち込みを許可しているケースもあるため、入居の際には確認が必要です。
老人ホームへの持ち込み家具|よくある質問
老人ホームでは家具をレンタルできる?
基本的に老人ホームでは家具をレンタルできません。
クローゼットやベッドなど大型家具は備え付けになっていることが多いが、別途料金を支払ってレンタルするわけではありません。
高齢者施設向けの家具レンタルサービスを展開する業者もあるが、退去時のことを考えると家具は必要最低限にとどめておくのが無難でしょう。
老人ホームの入居は引越し業者に依頼したほうがいい?
必ずしも引越し業者に依頼しなければならないわけではありません。
引越し業者に依頼すべきかどうかは、持ち込む荷物の量と人手によって判断しましょう。
そもそも老人ホームの居室はそれほど広くないため、不要な荷物を減らせば業者に依頼することは少ないようです。
ただし、家族が高齢で若い世代の協力が見込めないような場合は、無理をせず引越し業者に依頼するのも良いでしょう。
老人ホームは携帯電話禁止?
携帯電話の持ち込みは、老人ホームにより対応が異なります。
ほとんどの老人ホームでは、携帯電話が使用可能です。
しかし、自分で操作・管理できることが前提となります。
携帯電話は電話番号の情報も入っており、個人情報保護の観点から老人ホームでは介入が難しいです。
また、認知症により携帯電話に依存し、家族や友人へ何度も電話をかける行為が目立つケースもあります。
本当に携帯電話が必要なのか慎重に考えるべきでしょう。
老人ホームの持ち込み家具は取捨選択がポイント!退去時のことも考慮しましょう!
では、今回のまとめです。
老人ホームへ大型の家具を持ち込む際は、本当に必要なのかを考慮しましょう。
持ち込んだ家具や家電は、退去時には全て撤収して原状回復する義務があります。
そのため、ほとんどの老人ホームでは、持ち込みや撤収が大変な大型の家具・家電は備え付けになっています。
また、衣類や日用品も、適度な量を持ち込むようにしましょう。
老人ホームの居室は9畳ほどの広さしかありません。
収納スペースに限りがあるので、多すぎても老人ホーム側で管理できなくなってしまいます。
家具を持ち込む最大の理由は、老人ホームでの生活をできるだけ今までと同じ環境にするためです。
本人愛用のものを厳選して、必要最低限の家具を持ち込みましょう。
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