老人ホームの種類と選び方|施設の特徴から選び方のポイントまで解説!

コラム

「老人ホームの種類ってどれだけあるの?」「老人ホームの選び方を知りたい」とお悩みの方が多いようです。

老人ホームは公的施設と民間施設に分かれており、さらに4〜5種類ほどに分類できます。

また、老人ホーム選びの際は、5つのチェックポイントを意識することが大切です。

今回は『老人ホームの種類』と『老人ホームの選び方』を解説していきます。

この記事を読めば、たくさんある老人ホームからでも、最適な施設が見つけやすくなるでしょう。

 

 目次

 

老人ホームの種類

老人ホームの種類は大きく分類すると、公的施設と民間施設に分けられます。

たくさんある老人ホームも、これら2つに区別すると、特徴を理解しやすくなるでしょう。

それぞれ解説していきます。

 

公的施設

公的施設は、主に次の4種類が該当します。

   特別養護老人ホーム

   介護老人保健施設

   介護療養型医療施設

   ケアハウス

ひとつずつ解説していきます。

 

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、一般的に『特養』と呼ばれています。

また『介護老人福祉施設』と表現されることもあります。

特別養護老人ホームの入居条件は、原則要介護3以上となっており、介護を多く必要としている方向けの施設です。

費用は比較的安価で、終身利用が可能なため、入所待機が比較的多い傾向にあります。

居室タイプは多床室と個室の両方がありますが、新しい施設は個室が多いようです。

提供される介護サービスは、24時間体制の身体介護・生活支援をはじめ、レクリエーションやイベントも催されます。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、一般的に『老健』と呼ばれています。

退院後、自宅で生活するためにリハビリが必要な方向けの施設です。

老健で行われるリハビリは医学的管理のもとで実施されるため、医師をはじめ、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職が常勤しています。

もちろんリハビリだけではなく、介護スタッフによる24時間体制の身体介護や生活支援も提供されます。

なお、老健は自宅復帰を目的とした施設のため、終身利用はできません。

介護療養型医療施設

介護療養型医療施設は、重度の要介護状態に対応した施設で『療養病床』とも呼ばれています。

医師や看護師も常勤しており、医療的ケアが充実しているのが特徴です。

入居条件は65歳以上で要介護1〜5となっていますが、利用者のほとんどは要介護4以上で、日常的に医療的なケアを必要とする方が多く入居されています。

そのため、ほかの老人ホームに比べると、生活支援やレクリエーション・イベントといったサービスは提供されない傾向があります。

介護療養型医療施設は2024年3月末での廃止が決まっており、廃止後は2018年に新設された介護医療院へ移行する予定です。

参考:厚生労働省『介護療養病床・介護医療院のこれまでの経緯

ケアハウス

ケアハウスは、食事の用意や洗濯などの生活支援を受けられる施設で『軽費老人ホームC型』とも呼ばれています。

軽費老人ホームにはA型・B型・C型とありますが、A・Bは新設されておらず、C型が大部分を占めます。

軽費老人ホームという名称からもわかるように、比較的安価で利用できるのが特徴です。

ケアハウスは、一般型(自立型)と介護型に分かれ、一般型では介護サービスが提供されず、外部のサービスを利用する必要があります。

介護型では、食事や入浴介助などの介護サービスが提供されます。

一般型は60歳以上で自立している方向け、介護型は65歳以上で要介護1以上が入居の条件です。

 

民間施設

民間施設には、次の種類が該当します。

   有料老人ホーム

   グループホーム

   サービス付き高齢者向け住宅

   シニア向け分譲マンション

有料老人ホームは、さらに介護付き・住宅型・健康型の3種類に分かれます。

それぞれの特徴を紹介していきましょう。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、介護サービスと医療的ケアが受けられる有料老人ホームです。

介護付きには『介護専用型』『混合型』『自立型』の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。

それぞれの入居条件は、介護専用型は要介護の方のみ、自立型は自立した方のみとなり、混合型は自立〜要介護まで幅広く対応します。

年齢は共通して原則65歳以上が条件です。

それぞれの施設ごとで、提供されるサービスや費用に違いがあります。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、生活支援のサービスが付いた有料老人ホームです。

施設から介護サービスが提供されない点に注意しましょう。

介護を受けたい場合は、外部の介護サービスが利用できます。

必要とする介護が少ない方や、馴染みの訪問介護を利用したい方など、介護サービスを自分で選びたい方向けの施設です。

入居条件は、60歳以上で比較的自立度の高い方となっています。

住宅型有料老人ホームも施設ごとに特徴が異なりますので、自分に合ったサービスを提供している施設を選びましょう。

健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームは、健康にシニアライフを過ごすことを目的とした有料老人ホームです。

生活支援のサービスは提供されるが、介護サービスは利用できません。

カラオケやトレーニングジムといった趣味や娯楽施設が充実しており、介護を必要とされない方が多く利用しています。

入居条件は60歳以上で自立している方となっています。

終身利用には対応しておらず、介護が必要になった場合は退居になる可能性もあるので注意しましょう。

グループホーム

グループホームの正式名称は『認知症対応型共同生活介護施設』といいます。

グループホームは、認知症の方を対象に住み慣れた地域での共同生活を目的とした施設です。

具体的には、5〜9人の少人数制で、介護スタッフの支援を受けながら自立した生活を目指します。

食事の用意や掃除といった生活に必要な家事を入居者自身で行う点が、ほかの施設と大きく異なる特徴です。

入居条件は、要支援2または要介護1以上で、医師から認知症の診断を受けている65歳以上の方となっています。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、厳密にいえば施設ではなく賃貸住宅となります。

自由な生活を送りながら、安否確認や生活相談などのサービスを受けられるのが特徴です。

サービス付き高齢者向け住宅は、一般型と介護型に分かれます。

一般型は、訪問介護などの外部サービスから、必要な介護サービスを選んで契約する形式です。

介護型では、重度の要介護状態の方に対応できるよう、介護度別の定額で介護サービスが提供されます。

60歳以上の比較的自立度の高い方が入居対象となります。

または、要介護認定を受けた60歳未満の方も入居可能です。

ただし、施設により入居条件が異なるため、入居を希望する際は忘れずにチェックしておきましょう。

シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションは、高齢者が過ごしやすいようなバリアフリー構造の分譲マンションです。

コンシェルジュが配置され、娯楽設備が充実しているのが特徴です。

また、見守りや生活相談のサービスが提供されます。

介護サービスは提供されないため、介護が必要な場合は外部のサービスを利用しなければなりません。

入居条件は自立〜軽度の要介護状態の高齢者となり、対象年齢は施設により異なります。

 

老人ホームの選び方【チェックポイントは5つ】

老人ホームを選ぶ際は、次の5つのポイントをチェックしておきましょう。

   入居条件

   提供される介護サービス

   費用・予算

   施設の場所

   食事

ひとつずつ解説していきます。

 

入居条件

​​まずは入居される方の状態をしっかり把握しましょう。

老人ホームは施設ごとで提供されるサービスが大きく異なります。

年齢や要介護度といった入居条件も異なるので、体の状態に応じた施設選びが重要になってきます。

また、一時的な入居を考えているのか終身利用したいのか、入居期間も忘れずにチェックしておきましょう。

提供される介護サービス

希望するサービスや、必要な介護サービスが受けられる老人ホームを選びましょう。

例えば医療的ケアが必要なら、比較的重度の要介護状態にも対応できる施設を選ばなければなりません。

自立度が高い場合なら、外部の介護サービスを利用する施設のほうが、費用を節約できる可能性があります。

また、老人ホームの浴室やトイレ、居室といった設備面も確認しておきましょう。

費用・予算

老人ホームの入居にかかる予算を決めておきましょう。

老人ホームの費用は、公的施設や民間施設で大きく異なります。

さらに施設ごとでも費用に違いがあり、中には入居一時金が必要になるケースもあります。

また、希望するサービスをすべて受けると、費用が高くなるかもしれません。

予算を決めたら、受けたい介護サービスの優先順位を明らかにして、予算とサービスの妥協点を探しましょう。

施設の場所

老人ホームの場所も重要なポイントです。

老人ホームに入居したら、あとは施設任せというわけにはいきません。

老人ホーム入居後も、キーパーソンとなる家族には、定期的に施設へ通う用件があります。

日用品や衣類の補充・交換、入退院の手続きなど、入居者の生活を支えるため、何度も足を運ぶことになるでしょう。

また、立地が遠すぎると面会にも行きづらくなってしまいます。

入居後も通える範囲で老人ホームを探しましょう。

食事

意外に見落としがちですが、食事の内容もしっかりチェックしておきましょう。

老人ホームでは、食事は毎日の楽しみになります。

食事が口に合うかどうかは、生活において重要なポイントです。

とはいえ試食するのは難しいので、次のような点をチェックするとよいでしょう。

   季節を感じるメニューが提供されているか?

   好きなメニューが選べるか?

   介護食や療養食に対応しているか?

施設見学の際には、実際に昼食の様子を見るのも一つの方法です。

 

老人ホームの種類と選び方を知って、最適な老人ホームを探しましょう。

では今回のまとめです。

老人ホームの公的施設は、主に次の施設が該当します。

   特別養護老人ホーム

   介護老人保健施設

   介護療養型医療施設

   ケアハウス

民間施設には、次のような施設があります。

   介護付き有料老人ホーム

   住宅型有料老人ホーム

   健康型有料老人ホーム

   グループホーム

   サービス付き高齢者向け住宅

   シニア向け分譲マンション

老人ホームを選ぶ際は、入居条件・提供されるサービスの内容・費用や予算・施設の場所・食事内容などをチェックすると、選びやすくなります。

そして、なにより重要なのは本人の状態把握と、要望の確認です。

老人ホームの種類は多いため、施設選びが難しいと感じてしまいがちです。

 

今回紹介した施設の特徴や、施設選びのチェックポイントを意識して、最適な老人ホームを見つけましょう。

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