老人ホームはいつ入るの?入居条件から入居時期まで解説!
コラム

「老人ホームはいつから入れるの?」「老人ホームに入るタイミングはいつ?」とお悩みの方も多いでしょう。
老人ホームには入居条件が決められており、施設ごとで違いがあります。
年齢的には60〜65歳から入れる施設が多いですが、介護度は自立〜要介護3以上と条件が大きく異なります。
また、年齢や介護度にかかわらず、自宅での生活が心配になったとき・本人が入所を希望したときが老人ホームに入るタイミングです。
今回は『老人ホームの入居条件』『老人ホームに入る時期』『老人ホームの費用』について解説していきます。
この記事を読めば、老人ホームの入居条件や入居時期がわかり、老人ホームに入居すべきタイミングを判断できるようになります。
目次
老人ホームにはいつ入れる?入居条件は?
老人ホームの種類は多く、それぞれ施設ごとに特徴があり入居条件も異なります。
ここでは代表的な施設を例に挙げて解説していきます。
代表的な施設とは、次の3つです。
● 特別養護老人ホーム
● 介護老人保健施設
● 有料老人ホーム
それぞれの入居条件を紹介していきます。
特別養護老人ホームの入居条件
特別養護老人ホーム(特養)の入居条件は次の4つです。
● 65歳以上の方
● 特定疾病と診断された40歳~64歳の方
● 原則要介護3以上の方
● 特例と認められた要介護1~2の方
ただし、上記の条件を満たしていても、医療的ケアが24時間必要な方は入居できない可能性もあります。
なぜなら、特養では看護師の24時間常駐が義務付けられていないからです。
夜間は介護スタッフのみになるため対応できる医療行為が限られてしまいます。
そのため、特養への入所が難しいと判断されるケースがあるので注意しましょう。
参考:厚生労働省『介護老人福祉施設』
介護老人保健施設の入居条件
介護老人福祉施設(老健)の入居条件は次の4つです。
● 65歳以上の方
● 特定疾病と診断された40歳~64歳の方
● 要介護1以上の方
● 入院が不要・リハビリが必要な方
老健は、退院後リハビリを必要としている方を対象とした施設で、自宅復帰を前提としています。
上記の条件を満たしていても、長期入所や終身利用を考えている方に老健は向いていません。
専門的なリハビリを望む方は、老健が適しているでしょう。
有料老人ホームの入居条件
有料老人ホームの入居条件は、主に次の4つです。
● 種類が豊富で、自立〜要介護5まで幅広く対応
● 介護付き:原則65歳以上で自立〜要介護の方
● 住宅型:原則60歳以上で自立〜要介護の方
● 健康型:原則60歳以上で自立の方
有料老人ホームは種類が豊富で、施設ごとにさまざまな特色を持っています。
公的施設の特養や老健とは違い、有料老人ホームはサービスの自由度が高い特徴があります。
希望するサービスにこだわりがある方は、有料老人ホームから探すのが良いでしょう。
特定疾病とは
特養と老健の入居条件で出てきた『特定疾病』について説明します。
特定疾病(とくていしっぺい)とは、次の16種類の病気を指します。
- がん(がん末期)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関 連疾患)
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症(ウェルナー症候群等)
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
加齢が深く関わり、要介護状態を引き起こす原因になる病気を意味します。
参考:厚生労働省『特定疾病』
50歳でも入れる老人ホームがある
多くの老人ホームは60歳〜65歳以上が入居条件となっていますが、50歳でも入れる老人ホームもあります。
介護保険の受給対象者なら、64歳以下でも公的施設が利用可能です。
50代は介護保険の第2号被保険者に該当します。
第2号被保険者で特定疾病により要介護状態になった方は、介護保険が受給可能です。
また、特定疾病がなくても50歳が入れる施設はあります。
条件別に50歳でも入れる施設を表にまとめます。
条件 |
入居できる施設 |
特定疾病があり要支援・要介護状態 |
特養・老健・療養型・介護付き有料・軽費・グループホーム |
特定疾病がない |
住宅型有料老人ホーム・シニア向け分譲マンション |
ただし、住宅型有料老人ホームやシニア向け分譲マンションは、施設ごとで入居条件が異なるため、すべての施設に入居できるとはかぎりません。
参考:厚生労働省『介護保険(第2号被保険者向け)』
老人ホームに入る時期はいつがいい?
入居条件や年齢により老人ホームに入れる時期を紹介してきましたが、実際に老人ホームに入る時期とは意味が異なります。
そこで次からは、老人ホームへの入居を決めるタイミングを紹介していきましょう。
老人ホームに入る時期には、次の3つのポイントがあります。
● 後期高齢者になったとき
● 自宅での生活が心配になったとき
● 本人が入所を希望したとき
これらのタイミングで老人ホームに入居する方が多いようです。
ひとつずつ解説していきます。
後期高齢者になったとき
すでに老人ホームに入所している方の年齢層は、75歳〜90歳以上が中心で、特に80代が多い状況です。
年齢で判断するなら後期高齢者に差し掛かった時期で、老人ホームへの入所を検討すると良いでしょう。
自宅での生活が心配になったとき
次のような出来事があったら、老人ホームの入居を検討する頃だといえます。
● トイレに間に合わないことがある
● 食事の用意が難しくなってきた
● 火の不始末があった
これらの出来事は、認知症の初期症状が原因になっている可能性があります。
また、怪我や病気で入院してから介護が必要になったり、配偶者との死別により活気がなくなったりして、自宅での生活に不安を感じることもあるでしょう。
そんなときは無理をせず、早めに老人ホームへの入居を検討してください。
本人が入所を希望したとき
本人から老人ホームへ入りたいと訴えるケースもあります。
子供に面倒をかけたくないという思いや、家族に気兼ねなく老後を過ごしたいという希望があれば、老人ホームへの入所を検討しましょう。
老人ホームにはさまざまな種類があり、介護を必要としていなくても入所できる老人ホームがあります。
老人ホーム探しはいつから?注意点は2つ
老人ホーム探しを始める際の注意点は次の2つです。
● 老人ホーム探しは早めに
● 普段から本人と話す機会を
ひとつずつ解説していきます。
老人ホーム探しは早めに
老人ホームは入りたいときに、すぐ入れるとは限りません。
スムーズに進んでも2ヶ月程度の時間を要します。
また、老人ホームに空きがないと待機期間が発生するため、さらに長くなる可能性もあります。
老人ホーム探しは時間と体力を消耗するため、本人と家族が元気なうちから探し始めるのがベストです。
普段から本人と話す機会を
元気なうちに本人と老後の過ごし方を話し合う機会を持ちましょう。
ただし、いきなり老人ホームの話をすると、ネガティブに捉えられ話し合いにならない可能性があります。
あくまで、老後はどう過ごしたいのかを話し合い、本人の希望や要望を把握しておくことが大切です。
入居するのは家族ではなく本人なので、できるだけ不自由のない生活が送れる老人ホームを探せるよう、普段から準備しておきましょう。
老人ホームを探すときは費用も考慮
老人ホームは、一般的に次のような月額利用料がかかります。
● 施設利用料
● 管理費
● 食費
● 消耗品費
● 介護サービス利用料など
早めに現在の資産を把握して、老人ホーム入居にかかる費用を準備しておきましょう。
公的施設と民間施設ではかかる費用が異なるため、それぞれの費用について解説していきます。
年金でまかないたいなら公的施設
特養や老健などの公的施設では、月額費用が数万〜15万円前後で設定されています。
比較的少ない費用で利用できるため、受給額次第では厚生年金や国民年金でまかなうことも可能です。
ただし、要介護度により費用が変わる点には注意が必要です。
介護度が高くなるほど、費用も高くなります。
また、もらえる年金の金額も重要になりますので、受給額を把握しておきましょう。
年金の試算は『公的年金シミュレーター』で計算できるので、チェックしてみてください。
(公的年金シミュレーターは試験運用中のため、利用できなくなる可能性があります。)
費用よりサービス重視なら民間施設
有料老人ホームやサ高住などの民間施設では、10〜30万円程度の月額費用がかかります。
さらに施設によっては入居一時金が必要になる場合もあり、初期費用が高額になることも少なくありません。
入居一時金の金額は数十万〜数千万円と、施設により大きく異なります。
ただし、さまざまな特徴をもった施設があり数も多いので、サービスを選べるメリットがあります。
「専門的なリハビリを受けたい」「ジムで運動したい」など、サービスにこだわりがあるなら民間施設を利用するのも良いでしょう。
いつかは老人ホームに入所する気持ちがあるなら、早めに探し始めましょう!
では、今回の内容をまとめます。
老人ホームの入居条件は施設ごとで異なりますが、年齢は60〜65歳以上の方を対象としている施設が多いです。
しかし、条件次第では50歳でも入れる老人ホームがあるので、特定疾病で要介護状態になった場合は、無理をせず老人ホームを利用しましょう。
年齢以外でも自宅での生活に不安を感じたら、老人ホームへの入所を検討するタイミングといえます。
また、介護度にかかわらず本人が老人ホームへの入所を希望したときには、できるだけ応じるのが望ましいです。
費用確保のためにも日頃から老後の過ごし方を話し合い、入所の時期になったら早めに探し始めましょう。
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