良い老人ホームの見分け方と施設見学のポイントを解説!
コラム
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「老人ホームに入居を考えているが、どんな施設が良いのかわからない」「本人が辛い思いをするような老人ホームは避けたい」とお悩みの方も多いでしょう。
良い老人ホームの見分け方には5つのチェックポイントがあり、それらを確認すれば良い老人ホームかどうかの見極めが可能です。
今回は『良い老人ホームの見分け方』『施設見学のポイント』『良い老人ホームを見分けるために大切なこと』を紹介していきます。
この記事を読めば、良い老人ホームの見分け方がわかり、後悔しない老人ホーム探しができます。
目次
良い老人ホームの見分け方|5つのポイント
良い老人ホームの見分け方には、次の5つのポイントがあります。
● 費用面をチェック
● 設備面をチェック
● 食事面をチェック
● 緊急時の対応をチェック
● 経営状況をチェック
これらのチェックポイントを確認すれば、きっと優良な老人ホームが見つかります。
では、ひとつずつ解説していきましょう。
費用面をチェック
まず、次に挙げる費用が適切な設定になっているかチェックしましょう。
● 入居一時金
● 月額利用料
● オムツ代、おやつ代、ティッシュや歯ブラシなどの消耗品費
● 介護保険の自己負担額
特に入居一時金の償却期間と保全措置に注目しましょう。
入居一時金は利用料の一部を前払いする費用です。
支払った入居一時金は、一定期間かけて毎月の利用料の一部に充てられます。
この期間を『償却期間』といい、償却期間中に退去する場合でも入居一時金の未償却分は返還されます。
償却期間は数年におよぶことが多く、償却期間内に老人ホームが経営困難になる可能性が全くないわけではありません。
退居時期によっては返還金が高額になるケースもあり「返還金があったのに返ってこなくなった……」という事態になっては困りますよね。
老人ホームが経営困難により倒産しても入居金が返還される仕組みを『保全措置』といいます。
保全措置は2021年4月よりすべての有料老人ホームにて義務化されています。
老人ホームを選ぶ際は、保全措置が講じられているか必ず確認しておきましょう。
設備面をチェック
本人の身体状況に合わせた設備があるかチェックしておきましょう。
具体的には次のポイントを確認します。
● バリアフリー構造
● 手すりの設置箇所と数
● 共有スペースの広さ
● 廊下の幅
● 機械浴の有無
● 居室の広さや備え付けの設備(トイレや浴室の有無)
● 緊急時の通報設備(ナースコールや火災報知器)
ほかにも娯楽施設の有無や医療設備の様子など、本人や家族の要望をかなえる設備があるか確認しておきましょう。
特にリハビリに関しては注意が必要です。
介護職しか配置されていない老人ホームでは、生活リハビリしか対応できません。
リハビリを希望する場合は、専門職が配置されている老人ホームを選びましょう。
食事面をチェック
食事面では次のポイントを確認しておきましょう。
● 栄養士の監修があるか
● 献立の種類は豊富か
● 見た目や味はもちろん食事の楽しさを提供できているか
● 適切な食事形態での介護食の提供は可能か
● 療養食や禁止食の提供が可能か
● 食事介助の様子(声掛けができている・座って介助している)
● 食堂の清潔さ
食事面のチェックは意外に見落としがちです。
食事は栄養を摂取するだけでなく、毎日の楽しみとして生活の質に大きく影響するため、しっかりチェックしておきましょう。
緊急時の対応をチェック
緊急時の対応は非常に重要なチェックポイントです。
次のポイントを確認しておきましょう。
● 医療体制(医療職は常駐しているか・提携している病院はあるか)
● 夜勤の人数・夜間巡視の状況・医療職の夜間常駐
● 体調急変時の対応(多職種の連携がとれているか)
● 消防署員の指導による救命講習は実施されているか
● 災害時にも対応できるよう定期的な避難訓練は実施されているか
● 老人ホームの建物は緊急時の避難に適しているか
高齢者は体力の低下も著しく、元気な方が体調を悪くするケースも少なくありません。
もしものときでも適切な対応ができるか確認しておけば、老人ホームに入居後も安心して生活できるでしょう。
経営状況をチェック
経営状況は、運営母体の信頼度を測る重要なポイントです。
一般の方では少々見極めが難しいですが、老人ホームの経営状況は確認しておきましょう。
見るべきポイントは『入居率』です。
新設の老人ホームは例外となりますが、入居率が極端に少ない老人ホームは選択肢から外したほうが無難でしょう。
例えば1年以上経過している施設で50%に満たないような場合では、経営がうまくいっていないと判断できます。
また、経営状況が良好な老人ホームには質の高いスタッフが集まっているので、良いサービスが受けられるでしょう。
良い老人ホームの見分け方|施設見学のポイントは5つ
良い老人ホームを見分けるために必須なのが『施設見学』です。
しかし、初めての施設見学だと「どこをチェックすべきかわからない」という方も多いでしょう。
施設見学のポイントは次の5つです。
● 11:30頃に見学して昼食の様子をチェック
● 見学時間の指定がある場合は要注意
● 施設全体の清潔感
● 施設の理念
● 車椅子の状態
ひとつずつ解説していきます。
11:30頃に見学して昼食の様子をチェック
可能なら見学の時間は11時30分ごろに設定しましょう。
昼食前の時間では、食堂への誘導や食事介助の様子が確認できます。
また、昼食前は午前中の業務も重なり忙しい時間帯です。
慌ただしい時間でも適切な対応ができている老人ホームなら、一日を通して適切なサービスが提供されていると判断しても問題ないでしょう。
同時に、忙しい時間でも適切なサービスが提供できているなら、職員数が十分確保されているとも判断でき、良い老人ホームの可能性が高いです。
見学時間の指定がある場合は要注意
見学したいと申し出た際に、すぐに対応できるかをチェックしましょう。
なぜなら、いつ見られても問題のないサービスを提供できているなら、その場で見学できるはずだからです。
ただし、早朝や遅い時間は休んでいる入居者も多いため、見学は難しいかもしれません。
また、見学に同行できる施設長や相談員のスケジュールが合わないと、すぐに対応できない場合もあります。
見学の時間を指定されたり、見学できない場所がある場合は、対応できない理由を確認してみましょう。
施設全体の清潔感
施設の外観や内観の清潔保持をチェックしましょう。
必ず確認したい主なチェックポイントは次の3つです。
● エントランス
● 共有スペース
● 居室内部
可能ならトイレや浴室もチェックしたいポイントです。
入居者が使用中で見学できない場合は、トイレのニオイや生活臭が強くないかを確認しておくと良いでしょう。
清潔が保たれていれば、いやなニオイは発生しないからです。
特に、入居者が長い時間を過ごす居室や共有スペースは、重点的にチェックしましょう。
施設の理念
ほとんどの老人ホームでは理念を掲げています。
施設の理念はホームページやパンフレットに明記してあることが多いので、簡単に確認できます。
施設見学の際に注目していただきたいのは、理念を実現するために具体的な施策がとられているかどうかです。
例えば『温かい信頼関係を築きます』という理念を掲げている場合では、以下のような視点でチェックします。
● スタッフに笑顔がみられるか
● 笑顔の入居者がいるか
● 施設長や相談員は笑顔で対応しているか
ほかにもイベントやレクリエーションの様子がわかる写真などあれば、チェックしておきましょう。
車椅子の状態
車椅子の清潔さは意外に見落としがちなポイントですが、特に車椅子を使用している、または使用する予定があるなら要チェックです。
車椅子は入居者が毎日使うものなので汚れやすく、メンテナンスが必要な福祉用具です。
空気が抜けている車椅子では自走する際にも力が必要になり、使用する人の負担が大きくなります。
また、座面にクッションが入っていないと座り心地も悪くなり、長時間座っていると褥瘡の原因にもなりかねません。
入居者の安全を意識できている老人ホームは、車椅子がしっかりメンテナンスされています。
良い老人ホームを見分けるために大切なこと
上記でご紹介した内容以外にも、良い老人ホームを見分けるために大切なことが3つあります。
● 老人ホームの特徴を知る
● 本人の思いが最優先
● 地域包括支援センターへ相談
ひとつずつ解説していきます。
老人ホームの特徴を知る
まず老人ホームの特徴を理解して、そもそも希望しているサービスを受けられる施設かを判断することが大切です。
次の3つの老人ホームを例に挙げてみましょう。
● 特別養護老人ホーム
● 介護老人保健施設
● 有料老人ホーム
ひとつずつ簡単に特徴を紹介していきます。
特別養護老人ホーム
原則として要介護度3以上の方が入居できる公的施設で、比較的重度の介護を要する方でも利用できます。
ただし、理学療法士や作業療法士といった専門職が常勤していないため、リハビリのサービスは提供されません。
『終の棲家』とも呼ばれ、終身利用が可能です。
介護老人保健施設
主にリハビリや医療的ケアを目的として、短期入所を前提に利用できる公的施設です。
介護職以外にもリハビリの専門職や医療職が常勤しており、専門的なリハビリが受けられます。
ただし、自宅復帰を目指す施設なので終身利用はできません。
有料老人ホーム
有料老人ホームは『介護付き』『住宅型』『健康型』の3つに分類されます。
それぞれ特徴が異なりますが、いずれも民間会社が運営しており、公的施設にはない自由度が特徴です。
自立度の高い方から要介護の方まで幅広く対応でき、設備やサービスを選べるメリットがあります。
しかし、公的施設に比べると費用が高額になります。
本人の思いが最優先
良い老人ホームの見分け方で、もっとも大切なのは、実際に入居する本人の思いを最優先することです。
本人は、家族以上に「自宅での生活を続けたい」と思っているはずです。
自宅での生活を続けられなくなったという辛さを理解し、なるべく本人に負担がかからない老人ホームを選択しましょう。
地域包括支援センターへ相談
認知症により本人と意思疎通が難しいときや、自分では老人ホーム選びが難しいと感じたときは、地域包括支援センターへ相談してみましょう。
地域包括支援センターとは?
地域包括支援センターとは、地域に住む高齢者の暮らしをサポートする窓口です。
主な業務は次の4つがあります。
● 介護予防ケアマネジメント
● 権利擁護
● 包括的・継続的ケアマネジメント
● 総合相談
上記のうち総合相談では、介護の専門家が生活にかかわる相談へ対応します。
全国で約5,000ヶ所設置されていますので、自治体のホームページをチェックしてみましょう。
参考:厚生労働省『地域包括支援センターについて』
良い老人ホームの見分け方を知って、良い老人ホーム生活を送りましょう!
最後に、今回の内容をまとめます。
良い老人ホームを見分けるためには、5つのポイントをチェックしましょう。
● 費用面をチェック
● 設備面をチェック
● 食事面をチェック
● 緊急時の対応をチェック
● 経営状況をチェック
また、施設見学の際は次のポイントに注意すると、良い老人ホームが見分けられます。
● 11:30頃に見学して昼食の様子をチェック
● 見学時間の指定がある場合は要注意
● 施設全体の清潔感
● 施設の理念
● 車椅子の状態
これらのポイントを意識して、入居する本人が充実した生活を送れる老人ホームを選びましょう。
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