老人ホームのメリット・デメリットとは?老人ホームの種類もあわせて解説!
コラム

「老人ホームに入居するメリットはあるの?」「老人ホームに入居するなら、どこが良いの?」とお悩みの方も多いでしょう。
老人ホームに入居すると、本人と家族それぞれにメリット・デメリットがあります。
また、老人ホームと一言でいっても多くの種類があり、本人や家族の条件に合った施設を選ばなければなりません。
そこで今回は『老人ホームに入居するメリット・デメリット』『老人ホームの種類』について解説していきます。
この記事を読めば、老人ホームに入居するメリット・デメリットがわかり、老人ホームに入居するタイミングが把握できるようになります。
老人ホームに入居するメリット・デメリット
老人ホームに入居すると、本人だけではなく家族にもメリットとデメリットがあります。
本人と家族、それぞれの視点でメリット・デメリットを紹介していきます。
本人のメリット
老人ホームに入居すると、本人は次のようなメリットが得られます。
●自宅では難しかった本人の希望や要望にも応えられる
●家族に負担をかけているという不安や心配がなくなる
●家族以外の人と触れ合う機会が増え、社会参加ができる
●イベントやレクリエーションで楽しみのある生活が送れる
●食事や家事の心配をしなくても済む
介護施設では24時間体制で専門職によるサービスが受けられるため、自宅では難しい夜間の対応やリハビリなどの要望が実現できます。
また、家族に介護をさせて申し訳ないと思っている方でも、代わりに介護のプロが対応すれば不安を払拭できるかもしれません。
それに老人ホームでは同世代の高齢者や若い世代の職員と話す機会も多く、社会からの疎外感を感じることなく安心して生活できます。
イベントやレクリエーションを楽しみながら生活できる点も、自宅での生活とは異なるポイントです。
自宅での生活で強いられていた食事の準備や片付け・掃除洗濯といった家事をする必要がなく、ゆったりと過ごせるのも老人ホーム入居のメリットです。
本人のデメリット
老人ホームでの生活は、次のようなデメリットもあります。
●自由に外出できなくなる
●集団生活になるため人間関係がうまくいかない可能性もある
●家族以外の人に介護されることに申し訳ない気持ちになる
●排泄介助や入浴介助に羞恥心やストレスを感じる
●家族と離れて暮らすのが寂しく感じる
多くの老人ホームでは、外出の際には介護職員が付き添うため、自由に行動できないと感じるかもしれません。
また、多くの人と一緒に生活するため、集団生活のストレスを感じる可能性があります。
人によっては家族以外の介護に気を遣ってしまい、居心地悪く感じることも。
特に女性の方は、トイレやお風呂に家族以外の人がいるとストレスを感じるケースもあります。
結果的に気兼ねなく生活できていた自宅での生活が恋しくなり、帰宅願望が見られることも少なくありません。
家族のメリット
老人ホームに入居すると得られる家族のメリットは次の3つです。
●精神的・身体的な負担を軽減できる
●もしものときでも安心できる
●心にゆとりができ、本人への接し方が変わる
認知症の症状による昼夜逆転で夜も寝られない状況が長く続けば、次第に家族の精神的・身体的な負担が大きくなります。
職員が24時間体制でサービスを提供している老人ホームへ入居すれば、家族の負担は大きく軽減できるでしょう。
また、高齢者ともなると体力の低下も著しく、いつ体調が急変してもおかしくはありません。
応急処置や救急搬送を適切に行うには専門的な知識や経験が必要で、家族では対応が難しいと感じるでしょう。
そんな緊急時でも、老人ホームなら介護のプロによる適切な初期対応が可能です。
精神的・身体的な負担が軽減すれば、家族の心にもゆとりができ、穏やかに親子のコミュニケーションがとれるようになります。
家族のデメリット
老人ホームに入居すると、家族としては次のようなデメリットを感じる可能性があります。
●老人ホームが遠い場合、会いに行くのにも時間がかかる
●面会時間が決められていることもあり、いつでもすぐに会えなくなる
●帰りたいと言われたとき、後ろめたさを感じて辛いと感じることも
●費用の負担が大きくなる
老人ホームが遠方だった場合、会いに行くだけで時間がかかってしまいます。
さらに面会時間が決まっていると、気軽に会うのは難しくなるでしょう。
面会を制限された状態が続くと、会いに行くのがおっくうになる可能性もあります。
もし、本人から「帰りたい」と言われてしまうと、辛く感じるかもしれません。
また、施設により料金は大きく異なりますが、自宅での介護に比べると費用が大きくなってしまうというデメリットもあります。
老人ホームの種類は公的施設と民間施設に分かれる
老人ホームの種類は、大きく公的施設と民間施設に分類できます。
それぞれ提供するサービスや入居条件などが異なるため、本人が希望するサービスを受けられる施設を選びましょう。
公的施設の種類
公的施設は、主に次の4つの施設があります。
●特別養護老人ホーム
●介護老人保健施設
●介護医療院(介護療養型医療施設)
●軽費老人ホーム(ケアハウス)
ひとつずつ簡単に特徴を説明していきます。
特別養護老人ホーム
『特養』と呼ばれる特別養護老人ホームは、介護度の高い方向けの施設です。
入居条件は原則要介護度3以上と決まっており、要介護度2以下の場合は自治体による特別な許可が必要です。
また、終身利用が可能で『終の棲家』として知られています。
介護保険により費用が比較的安く済むため、入居待ちが多い施設です。
居室の形態はさまざまで、多床室や簡易個室の『従来型』と完全個室の『ユニット型』があります。
特養では医療職の常駐が義務化されてないため、24時間の医療的ケアが必要な場合、施設によっては受け入れ不可となる可能性もあるので注意しましょう。
参考:厚生労働省『介護老人福祉施設』
介護老人保健施設
『老健』と呼ばれる介護老人保健施設は、退院後に自宅での生活が難しいと判断された場合、短期入所を前提として利用できる施設です。
ただし、状態によっては滞在期間が伸びることもあります。
主にリハビリや医療的ケアを目的としており、専門職が常勤しています。
専門的なリハビリを受けたい場合には最適ですが、自宅復帰を前提としているため終身利用ができない点には注意が必要です。
参考:厚生労働省『介護老人保健施設』
介護医療院(介護療養型医療施設)
要介護度1以上で医療的ケアが必要な、自宅での生活が難しい方向けの施設です。
医師や看護師が複数人常駐している介護施設で、看取りやターミナルケアも行っており、終身利用も可能です。
居室は完全個室ではなく、多床室やパーティションで仕切られた簡易個室になっています。
伝染病や長期入院が必要な場合などは入居できないことがあります。
参考:厚生労働省『』
軽費老人ホーム(ケアハウス)
自立度の高い方向けの施設で「A型」「B型」「C型」に分類されます。
●A型:原則60歳以上で自宅での生活が難しい方向け
●B型:食事サービスが提供されないため自炊できる方向け。
C型は「ケアハウス」と呼ばれ、さらに一般型と介護型に分類されます。
●一般型:家事をはじめとした生活支援サービスを受けられる
●介護型:一般型のサービスに加え介護サービスも受けられる
1990年以降はA型・B型の新設はされていないため、現在はC型に置き換わっています。
民間施設の種類
民間施設の種類は、主に次の6つがあります。
●サービス付き高齢者向け住宅
●介護付き有料老人ホーム
●住宅型有料老人ホーム
●健康型有料老人ホーム
●グループホーム
●高齢者向け分譲マンション
ひとつずつ簡単に特徴を説明していきます。
サービス付き高齢者向け住宅
通称『サ高住』と呼ばれており、厳密には住宅としての扱いになります。
原則60歳以上の自立度が高い方向けの施設で、自由な外出や外泊が可能です。
サ高住は一般型と介護型に分類されます。
●一般型:介護サービスを受けたい場合は外部サービスを利用する
●介護型:専属の介護職員により介護サービスが提供される
介護サービス以外では、主に安否確認や生活相談が提供されます。
参考:厚生労働省『サービス付き高齢者向け住宅について』
介護付き有料老人ホーム
原則65歳以上の介護が必要な方向けの介護施設です。
介護付き有料老人ホームには、要介護の方に向けた介護専用型と、自立度が高くても利用できる混合型があります。
受けられるサービスは幅広く、生活援助・身体介護をはじめ、リハビリや機能訓練を提供している施設もあります。
さまざまな特色をもった施設が多数存在しているため、入居待ちが少ないのが特徴です。
介護サービスは定額で提供されるので、費用がいくらかかるか把握しやすいメリットがあります。
参考:厚生労働省『有料老人ホームの概要』
住宅型有料老人ホーム
自立度の高い方から介護を必要とする方まで、幅広く入居できる介護施設です。
基本的には生活援助や食事サービスなどが提供され、レクリエーションやイベントに力を入れている施設も多くみられます。
サービスの自由度が高く、自分に合った外部サービスを選んで利用できるのがメリットです。
ただし、介護サービスを受けたい場合も外部サービスを利用することになるため、介護度が高いと費用も高くなる可能性があります。
健康型有料老人ホーム
介護を必要としない自立度の高い方向けの施設で、主に家事や食事などの生活援助が受けられます。
費用は高額になりますが、ジムや温泉など設備が充実しており、健康的なシニアライフを過ごすことを目的とした施設です。
ただし、施設数が少ないため入居待ちになることも多いようです。
また、入居後に医療的ケアが必要になったり、重度の要介護になったりと、状態の変化があった場合は施設を利用できなくなる点に注意しましょう。
グループホーム
正式名称は「認知症対応型共同生活介護施設」といい、認知症の方向けの施設です。
5〜9人を1ユニットとした少人数体制で、認知症の方でも自立した生活が送れるよう、専門の介護職員が支援します。
認知症の方は環境の変化に対応するのが苦手です。
掃除や料理などの生活リハビリをしながら、馴染みの場所で馴染みの顔ぶれと一緒に生活できる環境を提供します。
参考:厚生労働省『認知症対応型共同生活介護』
高齢者向け分譲マンション
高齢者向け分譲マンションは施設ではなく分譲住宅として扱われ、入居対象は自立〜軽度の要介護状態にある方となります。
高齢者でも住みやすいよう構造はバリアフリーとなっており、見守りや生活援助などのサービスが提供されます。
主に富裕層の利用が多く、コンシェルジュが常駐していたり、プールやレストランがあったりと設備が充実しているのが特徴です。
また、外部サービスを利用すれば介護サービスも受けられます。
老人ホームのメリット・デメリットを知って、最適な介護施設を探しましょう!
老人ホームに入居すると本人・家族それぞれにメリット・デメリットがあります。
本人も家族も、自宅で住み続けたいと思うのは当然のことです。
しかし、老人ホームに入居するメリットが多いと感じたら、無理をせず早めに老人ホームの入居を検討しましょう。
老人ホームにはさまざまな種類があるので、自分の条件に合った施設がきっと見つかります。
この記事の関連記事
.jpg)
老人ホーム見学ガイド「神奈川県で理想の施設を見つけるポイント」
神奈川県内で老人ホームを探している方やその家族のためのガイド…
神奈川県内で老人ホームを探している方やその家族のためのガイド…

高級老人ホームの選び方完全版「神奈川県内おすすめ施設と失敗しないためのポイントを紹介」
この記事では、高級老人ホームの魅力や選び方について詳しく解説…
この記事では、高級老人ホームの魅力や選び方について詳しく解説…

10万円以下で選ぶ神奈川県の老人ホームの選び方
今後の安心した老後生活のために、老人ホームの選択は重要な決断…
今後の安心した老後生活のために、老人ホームの選択は重要な決断…

老人ホーム・介護施設での服装|どんな服を用意すればいい?
「老人ホームに入居するとき、どんな服を持っていけばいいの?」…
「老人ホームに入居するとき、どんな服を持っていけばいいの?」…

老人ホームの持ち込み家具の選び方|持ち込めるものを解説
「老人ホームへ家具を持ち込んでもいいの?」「持ち込みできる家…
「老人ホームへ家具を持ち込んでもいいの?」「持ち込みできる家…

老人ホームの種類と選び方|施設の特徴から選び方のポイントまで解説!
「老人ホームの種類ってどれだけあるの?」「老人ホームの選び方…
「老人ホームの種類ってどれだけあるの?」「老人ホームの選び方…
.jpg)
老人ホームの入居手続き|必要書類や入居までの流れを解説!
「老人ホームの入居手続きを知りたい」「老人ホーム入居の流れを…
「老人ホームの入居手続きを知りたい」「老人ホーム入居の流れを…
.jpg)
老人ホーム入居時に保証人が必要?保証人がいないときの対処法は?
「老人ホーム入居時の保証人って何をするの?」「保証人がいない…
「老人ホーム入居時の保証人って何をするの?」「保証人がいない…